この度は弊社、SIX(凍結防止剤保護専用)硬化系コーティング剤商品ページをご覧下さいましたこと、同時に毎度では御座いますが、弊社の長い長文のご説明にお付き合い下さいまして誠に有り難う御座いました。
改めてとなりますが、本製品は積雪地方の冬期期間と言う、都心とは比べものにならないほど塗装劣化が著しいエリアにおいて塗装面を最大限保護出来る事を目的として3年前から本格的に開発に着手を行いました。
結果的に無事に製品化する事が出来た訳では御座いますが、実は開発のサブストーリーとして、本製品に関して1つだけ非常に心残りな事が御座いました。
それは、本製品より遙かに保護力が高いサンプルがあったこと。
仮にこれをサンプルZとします。
通常、我々開発陣は製品製作を行う場合、非常に細かく同じようなセッティングのサンプルを細かく製作します。
※洗浄剤やこれら保護剤の世界は僅かの違いで大きな差に繋がる為。
そしてそれを1つ1つ検証を行い、ふるいにかけていくことになるのですが、どの様な製品でもほぼ必ずと言って最後の最後に数種類(4種類平均)程度で最終候補が残ります。
そしてこれら最終候補品で何度も検証を繰り返します。
大抵はある程度の検証で見えてくるのですが。。。
今回のSIX。
実はの実は。。。
開発当初に作ったサンプルとなるサンプルZが何をもってしてもダントツ。。。
※たったセカンドサンプルにしてで大当たりのような出来映え。。。
比較の為に製作した様々なサンプルとどれを見比べても比較にすらならないレベルでダントツ。。。
あまりに早い結果と展開に唖然となってしまった私達は、1度このサンプルZを抜かしてあらためてリスタートを切ったのです。
そして完成した本製品であるSIX!!
そしてのそしてで比較する本製品とSIXとサンプルZ!
結果。。。
当初ほどではないにしても完全にサンプルZの圧勝。。。
結果的にサンプルZしかないのか。。。
と改めてサンプルZを細かく検証していくと、サンプルZは使用している材料特性の問題により、(繊細な塗装面に塗るには色々強すぎてしまい)、特定の中古塗装であれば気にならないレベルではあったのですが、新車になるとそのコーティング剤による副作用がかなり目立ってしまい。。。
※外で見たら綺麗だけどガレージ内で見たら『・・・』となる系と同等、もしくはそれ以上の副作用。
今回製品化したSIXよりもあまりに耐久力が高かったことから。。。何とかそれを塗装面に副作用なく塗れる事が出来ないか。。。
実はこの3年の開発期間の最後の1年は検証走行意外はほぼこれだけに時間を費やしておりました。
しかしながら、期限であった今年の4月迄にそれを改良する事が出来ず。。。
残念な事に本採用から外れてしまったのです。。。
当たり前ですが製品製作には膨大なお金が発生します。
単純に材料費等はどうにかなったとしても、検証にかかる費用は膨大です。
※今回は検証車両を追加で3台も導入する等。数百万等の世界ではありません。
許される範囲の中でも出来る限りの限界の限界まで追い込んでみたのですが無念。。。
現状として、サンプルZの製品開発は打ち切りになってしまいました。。。
が!!!
転んではただで終われません&自動車塗装にNGであればむしろボートや船舶側のコーティング剤に流用出来る為、次年度予算でのスタートとなってしまいますがそちらで生かす事となりました!
※その他、本製品より僅かに耐久性が高いモデルもあるのですが、その分艶が弱い為、カーディテイルとして艶はやはり欲しいとのことで耐久性を僅かに犠牲にして艶を高い本製品を正式採用と致しました。
さて。。。
ここからは愚痴となりますが。。。
よくよく分かってはいたのです。。。
塗装と言うあまりに繊細な材質にも関わらず美観を維持しないとならない存在に対して突出して良い結果が出る(定着が強かったり、耐久力が髙かかったり等)の場合は必ず副作用がある事を。。。
業界アルアルの典型。。。
ですが今回のサンプルZの場合、特定の中古塗装にはある程度問題なく施工出来たことから余計に諦めがつかず。。。
ですが結果として力尽き、今回の状態と相成った次第で御座いました。。。
尚、このお話は同時に何を意味しているかと申しますと!
本製品であるSIX!
現時点となりますが、塗装への副作用が入らない範囲において、この路線での弊社の限界となります。
現在も、全く別材料の方向にて新しいコーティング剤の開発は進んでいるのですが、少なくとも現時点で出せる弊社の限界となります。
それでもSIXは一液構成にも関わらず多重被膜を形成するとても優秀なコーティング剤となります。
コーティング剤に関しては、結果が塗装状態に大きく依存したり、作業者の技量等も関係する為、事実だとしてもあまり大きな事を商品ページで書かないようにしているのですが。。。
※あれで何処が?との突っ込みはご遠慮下さい。。。☆
仮に現状で塗装が傷んでおり、コーティング施工で施工箇所と未施工箇所の違いが分かりやすい状態でひと冬見て頂ければ。
下手したらワンシーズンどころか、翌年の冬すら耐えうるほど被膜が残留しているのを確認頂けるかと思います。
また、仮に見た目的に被膜の存在が分かりにくいとしても、使用している成分が細かい為、塗装へのレベリングが極めて高く、ある意味で言えば落としたくても落とせないほど塗装に成分が確実に残留します。
ケミカルと言う科学の世界ですので、100%と言う意味と解釈は決まっておりますが、主観的にお伝えするのであれば、本製品を入れるだけで99%は確実に現状より塗装保護が行えていると言えますので。。。
※因みに弊社で100%と断言出来るシリーズは洗車マニュアルとスクラッチレスクロス等の洗車に関わる部分とメインメンテナンスシリーズになります。これらは代替えがきかない100%必ず必要であり、無くてはなりません。
【冬期期間はまともにメンテナンス出来ないぞ!!】
【メンテナンスが出来ても寒くてやってられるか!!】
と言った方には最適となります。
ただし、これはどの様なコーティング剤だとしても、水滴が塗装面の残っている状態で長期間放置をされてしまう等するとコーティング被膜はおろか、塗装その物にケミカルで落ちないシミを作ってしまいます。
※これを抑制する為にマメなデポリンやREBOOT-TYPE-NCと言うことです。←冬期期間中にメンテナンスをするのであればこのどちらかがベストとなります。
ですので、商品ページ記載の通り、せめて1ヶ月~1ヶ月半に1度の最低限の洗車だけは出来る限り行って下さい。
※洗車機による傷が気にならないと言う方の場合は洗車機でもOKですので最低限の上記スパンでの洗車だけはお願い致します。
さて、長くなってしまいましたが最後に!
この3年もの期間。
冬期期間中は毎月1ヶ月間のほぼ半分は各種県を飛び回り、千葉にいる期間も休日返上で関越を走り北陸エリアに日帰りでの強行検証も何度も行いましたが、新潟、富山、石川、群馬の関係者の方々を含め大変お世話になりました。
※今年も何卒よろしくお願い申し上げます!
※余談ですが、実は弊社DSEARCHERも北陸を中心に検証を行っておりました。同時にこの3年に限らず私の北陸での検証の歴史はもう10年以上となります。
ここで書く事が出来ないような事も沢山あるのですが、本当に弊社は人に恵まれているとしか思えないほど様々な方々に助けられました。
心より御礼申し上げます。
※石川での検証拠点の1つだった河北潟エリア!毎度、蓮湖渚公園で休憩をしておりました!河北潟はとても美しい!