洗車用品専門店GANBASSで御座います。
先日にリンスレス洗車(水無し洗車)に関してご質問が御座いました為、今回はリンスレス洗車の歴史や、弊社がリンスレス洗車とどの様な関わりがあったのか等。
※リンスレス洗車と水無し洗車の細かい定義は今回割愛して同一としてお話致します。
少々長くなってしまいますが、雑談としてお話をさせて頂ければと思います!
が!その前に!!!
予めご了承頂きたいことが御座います。
と言うのも、原則としてリンスレス洗車はあくまでそのデメリットを理解した上で、ご使用頂くことが前提であり、私達PRO現場で使用する照明設備等の環境下においては、どんなに工夫を凝らしても、どんなに高性能な薬品を使っても。
洗車傷から逃れることが出来ません為、私達PRO職人が現場で使用することはありません。
同時に、高弾性塗装等に関しては仮に磨きを行うにしても簡単なお話では御座いません&琺瑯層の観点として何度もお伝えの通り、磨いたり研磨剤に準ずる製品を日常的に使わないことが最大のキモになります。
※高弾性塗装専用PRO講習があるほど難易度が高くなります。
この為、弊社では原則として推奨をすると言ったスタンスではなかったのですが。。。
実は。。。
後述する理由と合わせ、リンスレス洗車に関しましては弊社と縁深いエピソードが御座います為、ここ数年、多くのご質問も御座いましたことから、一度簡単では御座いますがリンスレス洗車の歴史と交えて、雑談となってしまいますが情報を共有したいと思い書かせて頂きます。
それでは早速では御座いますが、このリンスレス洗車。
実は弊社GANBASSとして製品製作を行う場合の基軸となる各種ファクターや、現在使用している技術の半分と言っても過言ではないほど、当時に同時並行で行っておりました出張洗車から学んだことからのフィードバックにより成り立っております。
※特にリンスレス洗車から学んだことは後述する事も含め本当に大きい。
何より、このリンスレス洗車によってDIY洗車の難しさと、DIYにおいて何を得て何を妥協するべきなのか?
塗装と言う材質の繊細さと合わせて、当時現場作業と合わせてより深く学べた技術で御座いました。
さて、一度、ここでリンスレス洗車の簡単な歴史をお話致しますと、長らく業界にいる職人の方であればご存知の通り!
このリンスレス洗車に関しては非常に歴史が長く、この場でお名前を出すことは出来ませんが、リンスレス洗車を日本に広めた大先輩となるパイオニアの方が2名おり、既に歴史としては40年近く前から行われております。
※諸説ではそれより前に既に前身となる形式があったそうです。
※その片方は私の師匠でもあります。
そんな私自身もガレージ作業の現場と合わせ、2002年~2013年迄の11年行っておりました出張洗車において、リンスレス洗車を度々活用してきました。
特に、業界歴20年以上の方であればご存知の通り、1990年代から2000年代の当時は出張洗車ブームと言える時代であり、洗車場がない首都圏をメインとして、バイク一台あれば何処にでも出張洗車として開業が出来た時代で沢山の方が開業をしておりました。
同時に、海外旅行等で空港に車両を預ける際に、オプションで帰国迄に車を洗っておくというサービス等の一環でも出張洗車業務が非常に盛んな時期でも御座いました。
当然、出張洗車業がブームになると同時に、出張洗車に合わせた様々な製品が生まれ、特に水を最小限に使う事を目的として、水にトロミを付けて、そのトロミに汚れを吸着させる手法として、海洋性コラーゲンを使用した洗車専用液や、同じく天然系のクリーナーを含め、沢山の商品が御座いました。
※オムツ技術を活用した水の回収ペーパー等。
そんな私自身も天然成分を活用してオリジナルの洗車溶液を作り、それを出張洗車の現場で使用しておりました。
※当時の職人はこれら天然成分、要するにWAXも含め、手作りケミカルブームでもありました。←私は研磨剤も天然の添加物で作る等。休日はひたすら色々なものを作りました。
しかしながら、当時、ガレージ作業と並行して出張洗車をしていた私の場合、照明設備がある環境で出張洗車業務で行うことで入る傷の状態を強く認識していた為、常に(洗車傷)に関して非常に頭を悩ませておりました。←下手したら当時は結構な鬱になっていたかもしれません(汗)
※2000年代初期はメタハラ等がメイン照明設備で、これまたガレージ内のサイズが合わないと逆に傷が飛んでしまいよく見えないと言う落とし穴が。。。壁をぶち抜いて無理矢理ガレージサイズを広げたりと。。。(苦笑)
特に、当時はシリコンやカルナバ系溶液とアレ(笑)で洗車傷を誤魔化す&何度も塗り込む=研磨と同位となる作業を行い、細かい洗車傷レベルを誤魔化してきた背景があり。。。
※同時に仕上げの艶出し剤。。。
※アレはアレとなります!
ガレージ内作業で現場を痛いほど理解しているからこそ、出張洗車で行っている自分の業務に対して罪悪感との葛藤。
※当時は午前中や夕方に出張洗車を受けて、残りの時間をガレージ内作業のシフトでした。
毎日、もう辞めたい!
もう出張洗車は辞めてガレージ内だけでやりたい!
そう思っていたタイミングにも関わらず、頂いた出張洗車のフランチャイズ化のお話。
当初は断ろうと思っておりましたが、当時の私は、全国レベルで車の塗装汚染状況を理解していなかったことから、それを勉強出来ると思い、出来る範囲はご協力させて頂くとの条件でこの企画に参加をさせて頂き、全国の各種問題があるエリアを回って勉強を行っていたのですが。。。
ぶち当たってしまった強烈な問題。。。
それは。九州の火山灰による洗車傷。
※同じく海の砂や鉱物系汚れも含む。
ご存知の通り、火山灰はガラス片と言っても過言ではないほど、塗装面に対して攻撃性が非常に高くなり、そのまま塗装面にスポンジやクロスを使うという愚行を犯すことはまかり間違っても出来ません。
この為、本来であれば洗車を行う前に、水を大量に使いながら、弊社の洗車マニュアルの洗車方法で対応をしていくことが理想ではありますが、出張洗車のフランチャイズ化として、簡単に、そして、出来るだけ低リスク&洗車傷を入れることなく作業を終わらせないとならないというシステムを作らなくてはならず。。。
しかも、出張洗車は短い時間で作業を行わないと採算が取りにくいという特性があるからこそ、じっくり作業を行うということが出来ないという無茶振り。。。
当たり前ですが、首都圏では通用していた出張洗車技術やリンスレス洗車技術では対応が難しく、『如何に洗車傷を誤魔化すかという、如何に隠蔽方向に走る』という、本来であればやってはならない方向性でしか形にすることが出来ませんでした。
当然ですが、この様な根本的な問題を解決しない対処療法的な作業の場合、最初の数回はまだ誤魔化せたとしても、野外の目視にも関わらずどんどん塗装が低密度化していくのが分かるような状態に。。。
ここまで来ると、私自身も既にメンタルの限界に達してしまい。。。
結果的にフランチャイズ化のお話をお断りさせて頂いただけではなく、出張洗車業務自体が嫌になってしまい。。。
都内に戻ってからも、県外からの出張洗車は全てお断りをしてしまい、都内のディーラー展示車や保管環境が良い依頼しか受けたくない!!
頂くご依頼の半数をお断りをするような状態になってしまいました。
しかしながら、業務でやっている以上、お断りするにも限界があり、同時に一度断ったフランチャイズ化を検討していた企業からも、考え直してほしい等のご連絡を頂いていたこともあり。。。
だったなら、そもそもリンスレス洗車の根幹である、最低現の水と言う存在を何か別のものに置き換えることが出来ないか??
水以外のでリンスレス洗車を行う新しい選択肢は無いのだろうか??
これを先に解決しないと先に進むことは難しいとのことで、この選択肢を模索する事となりました。
そして、出会ったイオン技術。
このイオンの技術は素晴らしく、イオンの力で塗装その物の靱性をUPさせることで、火山灰による洗車傷が従来品よりも大幅に減少。
※この時、初めて靱性と言う言葉を知って驚きました。
更に、イオンの力で汚れを浮かす力が更に高くなることで洗浄効率が高くなるという、まさに出張洗車のリンスレス洗車に最適な効果!!
もうこれしかない!!!と言うことで誕生をした某製品。。。
さて、ここまでお話をすれば、業者の皆様であればご存知の通り。
そうです。
ION-PRE-WASH(BASEFLOCK)の前身モデルであった。。。
スクラッチレスリキッド!
これがこの九州火山灰対策として開発されたリンスレス洗車の要の製品だったのです。
※スクラッチレスクロスもこの当時の経験がフィードバックされております。
このスクラッチレスリキッドの誕生により、よりリンスレス洗車で使用する水の量が減っただけではなく、洗車傷を誤魔化す為に使用しておりました、艶出し剤系の使用量の減少。
更に、艶出し剤を使わなくて良くなった為、出張洗車のリンスレス洗車にも関わらず、選択肢として、ガラスコーティング剤系を敷居低く採用出来るようになる等。
※当時はまだガラスコーティング剤が●●だった頃です。
非常に大きなメリットが生まれた結果になりました。
結局のところ、私自身はGANBASSとしてのガレージ内業務、何よりガレージ内でブラックジャックさながらな塗装の名医になりたく、各種ハイテク機材や照明設備を駆使した現場作業が性に合っておりましたことを職人になってからの早い段階から自分で認識していた為、これ以上、ガレージ現場を離れることは出来ない等を理由に、出張洗車業務から離れる結果となりましたが。。。
その後もスクラッチレスリキッドはION-PRE-WASH(BASEFLOCK)が発売される直前まで販売をしており、出張洗車系の業務には影ながら長く携わっておりました。
要するに、ION-PRE-WASH(BASEFLOCK)やスクラッチレスクロスは、全て出張洗車のリンスレス洗車で発生した悩みから生まれたものであり、同時に、今年に発売をした中和剤であるNEUTRALIZER。
これも、出張洗車において、鳥糞が塗装面に付いている車両に対して、精製水や純水を使用してしまうことで発生するリスク対策や、やむを得ず、少ない水の量でアルカリや酸性クリーナーの効果を中和させることを目的として、使っていたものがベースに御座います。
※この件に関しての詳細は次期洗車マニュアルにて。
当時の私は本当に悩んでいたのです(汗)
ガレージ内作業と異なり、高精度に塗装面を精査し、視ることが出来る照明設備や各種測定器が使えない出張洗車において、『お金を頂けるレベルで作業をする難しさ』。
何より、何度もお話をしております通り、塗装とは指でなぞるだけで傷が入り、塗装に良いとされるコーティング剤塗り込みですら実は塗装に傷が入っているリアルを知っているが故の罪悪感との葛藤からの『モチベーション維持の難しさ』。
本当に出張洗車を行っている当時は辛かった。。。
※照明設備も無い、水も満足に使えない!傷が入ることを分かって行う作業なんて無理ゲーだよ!コレ系の言葉が当時私の口癖として自分に言い訳をしている日々でした(汗)
しかしながら、結果的にその辛さから得た事が後のGANBASSとしての活動や製品製作において非常に有益になったこと。
同時に、これがあったからこそ、GANBASSとしての活動を開始する時に、同時に解体屋さんとの提携することのメリットに気がつけたこと。
※今も提携しております。
この提携により、都内で普通にショップを構えているだけでは絶対に入ってこない、超超超低密度塗装を何万と磨く&コーティング出来ることで得られる情報。
※今でも本物のケミカルダメージが何であるか知らないPROも多いです。
物事を正確に把握する場合、必ず多角面から判断をしないとならない。
出張洗車とガレージ内作業。
この2つをあの出張洗車ブームの時代に行えたことは大きな財産として、本当に幸せなことであったと今では思っております☆
今回は、特段、技術的なお話ではなく、リンスレス洗車に関しての歴史をお話をさせて頂きましたが。。。
実は。。。奇しくも。。。
2024年某日。
某大手企業様から出張洗車のフランチャイズ化をしてみないか??
という打診を受けていたのです。
弊社の場合、手の動かし方からコーティング剤の施工方法から何もかも。
技術として販売をしている関係上、開示出来ない技術も多々あります為、どこまでお力添えが出来るか。。。?
これが懸念点として御座いました為、即答をしておらず、この交渉中となっておりますが。。。
仮にこれの折り合いが上手くつくのであれば。
2026年頃を目安に。。。
何か動きがあるかもしれません☆
と言うことで、リンスレス洗車に関しての雑談をさせて頂きましたが、日本は比較的何処でも洗車を行うことが出来る素晴らしい環境であると言えますが。。。
それでも、水を大量に使った洗車が出来ない環境もあったり、休日を有効活用したい等。
目的を別に持っていたり、主体を車に拘らないのであれば、より時短として効率的に生きていく上の手段として!
また、狙いたくても最上級を目指すことが出来ないケースもあるかと思いますので、このようなリンスレス洗車の必要性は絶対に無くならないと思っております。
何より、ガレージ作業、日本で一番照明設備に拘るGANBASSが実は出張洗車から多くの事を学んできたという事実も含め!
出張洗車と言う選択肢。
これは必要なビジネスモデルとして、まだまだ突き詰めることが出来ることがあると思っておりますし、過酷な環境の中での最善への模索から得られる恩恵!
この恩恵がこれがあったからこそ、スクラッチレスリキッド(現ION-PRE-WASH(BASEFLOCK))とスクラッチレスクロスが生まれましたし、ガレージ内作業において照明設備の精度をより高めたいと思ったキッカケにもなりました。
※物作りの根幹かと思われます。
現在フランチャイズ化の打診を受けている状態ですので、どうなるか分かりませんが、もし個人でやろうと思っている方が多ければ。
何かサポートさせて頂く選択肢として弊社基軸としたフランチャイズも面白いかもしれませんし、高額なガレージ設備を整えられない、若しくは賃貸の問題で難しくてカーディテイルで起業出来ないと思っている方のお力になれるかもしれません。
と言うことで、2024年は出張洗車と絡んだリンスレス洗車ネタのご質問を非常に多く頂きましたことから、少しだけこれまでの経緯&歴史をお話をさせて頂きました☆
是非、ご参考になさって頂ければ幸いで御座います☆
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【店舗名】
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